牽引

我々の業界で牽引といえば、整復ですが つい先日、国家試験目前の学生から質問を受けた ある骨折についての整復手順についてである。まったく情けないのですが 明快な答えがでてこなかった。

なぜなら 私が整復する際 骨折にしろ脱臼にしろ 教科書ではどう書いてあったかな~・・・・など考えたことがなかったからである。

患者さんの受傷状況・年齢・転移・変形・さなざまなことを考えると 教科書通りの定型的骨折・脱臼は全体的には多いのかもしれませんが それ以外もかなり多いのです。 そのような時には聴診・触診・視診をしっかり行い 受傷個所の解剖をきっちり理解しておけば 教科書に出ていないもの 初めて出くわすさまざまな骨折・脱臼にも対応できるはずです。

目の前の変形を見れば、牽引方向 転移の矯正はおのずとわかるはずです。

整復する際私が気をつけるのは 自分の指先の感覚と患者さんの表情である。指先で骨片が移動し正しい位置に治まる感触 患者さんの表情で一番、痛みの少ない方向への牽引を確かめるのである。

患者さんの表情 など書いてある本などないし 指先の感覚はいくら伝えても自分で感じなければわからない。

今日、整骨院終業時に卒業生のK君と話す機会があった。K君は整形外科勤務だが仕事をしてから初めてわかることが多いと言っていた。ただし解剖学を理解していれば 初めての経験でもどの方向に牽引するのか 迷わずにすむだろう。

 

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